相続税部門責任者の山本です。
” 相続税は、亡くなった方の財産にかかってくるもの ” と認識されている方が
ほとんどでなはいでしょうか。
一般的に財産というと、プラスのイメージを抱かれると思います。
相続が発生したとき、継承するのは、プラスの財産。
一方で、亡くなった時点での未払金や借入金なども 継承することになります。
言い換えると、
「 プラス財産 」-「 マイナス財産 」 = 正味財産 に相続税が課税されることになります。
※「 プラス財産 」からは、葬儀費用も控除することができます。
相続税の計算を行うときは、上記のような取扱いが原則ですが、
実務では、さまざまなケースが発生してきます。
一例を紹介します。
Aさんが亡くなりました。相続人は下記のものを相続することになりました。
① Aさんの自宅
② Aさんの自宅の住宅ローン
通常は、①-②=正味財産を相続することになります。
ところが、Aさんは、団体信用生命保険契約を締結しており、
亡くなった時点の住宅ローン残高は、当保険から全額弁済されることになりました。
これにより、相続人が負っていた Aさんの自宅の住宅ローンの支払義務は
消滅したことになります。
したがって、このケースでは、
Aさんの自宅(プラス財産)から、亡くなった時点の住宅ローン残高(マイナス財産)を
控除することはできません。
このようなケースは珍しいことではないと思われます。
これからも相続にまつわる身近な話題を綴っていきたいと思いますので、
よろしくお願いします。