相続は、手間がかかる

小規模宅地等の特例 特定居住用 要件強化へ

石川県の相続税専門税理士

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小規模宅地等の特例のなかに、被相続人等の居住の用に供されていた宅地等で一定の要件に

該当する場合には、敷地の330㎡を限度として、80%評価減できる制度があります。

 

この制度を受けられる要件のなかに

 

☆ 被相続人の居住の用に供されていた宅地等を、被相続人と同居していない親族が取得した場合、

  「その親族が、相続開始前3年以内に自己の所有する家屋に居住したことがないこと」

   という要件があります。

   親が亡くなったとき、その3年以内に自分の持ち家がなかった場合は適用できますよ

   という要件です。

 

   この特例の摘要について、下記のようなケースが見受けられるため、

   政府は、2018年以降、要件を強化する方向で検討をすすめている、という

   報道がされています。

 

   今回、問題視されているのは、下記のようなケースです。

 

  例)山田 一郎 80才

    山田 二郎 56才 … 一郎の子

    山田 三郎 30才 … 一郎の孫

 

    二郎さんは、所有する自宅を三郎さんに贈与しました。

    これで二郎さんは、持ち家がないこととなります。

    家屋の名義は、三郎さんに代わりましたが、贈与後もその家に住み続けており

    日常生活に支障はありません。

 

    それから3年以上経ち、一郎さんが死亡しました。

    二郎さんは、一郎さんの自宅を相続することになり、

    自宅の敷地について、80%の評価減を受けました。

 

   ☆ このケースでポイントとなるのは、持ち家があるか否かの判断が ” 家屋 ” でされると

     いう点です。土地は、二郎さん名義のまま、古い家屋を三郎さんに贈与した場合、

     家屋の評価額によっては、贈与税がかからない可能性もあります。

 

    このような形で特例を適用する人が増加していることを背景に、

            政府・与党は、一郎さんが死亡した時点で

 

                 ⦁  二郎さんが住んでいた自宅が、もともと二郎さんの所有だったこと

                 ⦁  三親等内の親族が所有する家に住んでいた

 

       場合は、特例の適用外とする方向で検討を進めています。