相続は、手間がかかる

贈与者が贈与をした年に死亡した場合の相続税、贈与税の取り扱い

石川県の相続税専門税理士

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平成 29 年1月1日から 12 月 31 日までの1年間に個人から財産の贈与を受けた個人は、

その贈与を受けた財産について、贈与税の申告をしなければなりません。

 

それでは、贈与者が贈与をした平成29年中に亡くなった場合は、

どのような取り扱いになるのでしょうか。

 

〔 ケース 1 〕  相続時精算課税の適用を受ける場合

 

  例)鈴木 一郎さん(75才)

      鈴木 和也さん(45才) … 一郎さんの子

 

     平成29年5月31日  … 和也さんは一郎さんから家屋2,000万円の贈与を受けました。

                    ◎ 平成29年分は相続時精算課税を適用して

                                               贈与税の申告をする予定です。

 

      平成29年10月31日  … 一郎さん死亡

 

   ☆ 贈与税の取り扱い

      平成29年中に贈与を受けた家屋2,000 万円については、

      相続税の課税の対象となるので贈与税の申告は不要です。 

 

      ※ 注意点 

       平成29年中に贈与をした一郎さんが、平成29年中に死亡し、   

       贈与された家屋2,000万円について、和也さんが相続時精算課税の適用を受ける

        ときは、贈与税の申告書を提出する必要はありませんが、

       「相続時精算課税選択届出書」を提出する必要があります。

 

      ※ 上記のケースでの「相続時精算課税選択届出書」の提出期限は、

                       イまたはロのいずれか早い日となります。

                        イ. 平成30年3月15日(贈与税の申告書の提出期限)

           ロ.平成30年8月31日(相続税の申告書の提出期限)

               → 和也さんの場合は、イ. 平成30年3月15日が提出期限となります。

 

           もし、いずれか早い日が、相続税の申告書の提出期限となる場合は、

           相続税の申告書に「相続時精算課税選択届出書」を添付しなければ

           なりません。

 

                            また、和也さんが 相続税の申告書を提出する必要がない場合であっても、

                            相続時精算課税の適用を受けるためには、提出期限までに

                          「相続時精算課税選択届出書」を提出しなければなりません。

 

      ☆ 相続税の取り扱い

      平成29年に相続時精算課税を受ける家屋2,000万円を他の相続財産に加算して

        相続税額を計算します。

 

〔 ケース 2 〕 相続時精算課税の適用を受けない場合

 

        例) 鈴木 一郎さん(75才)

       鈴木 和也さん(45才) … 一郎さんの子

 

      平成29年5月31日    … 和也さんは一郎さんから家屋2,000万円の贈与を受けました。

        平成29年10月31日  … 一郎さん死亡

 

           ☆ 贈与税の取り扱い

       ・ 和也さんが一郎さんから相続財産を取得する場合

          平成29年中に贈与を受けた家屋2,000 万円については

                相続税の課税対象となります。贈与税の申告は不要です。

 

                ・ 和也さんが一郎さんから相続財産を取得しない場合

             平成29年中に贈与を受けた家屋2,000 万円については

           贈与税の課税対象となります。

                            贈与税の基礎控除額を超えるため、申告と納税が必要となります。

 

    ☆ 相続税の取り扱い

       ・  和也さんが一郎さんから相続財産を取得する場合

           一郎さんの死亡前3年以内に贈与を受けた財産の価額を

                        相続税の課税価格に加算して相続税額を計算します。