相続は、手間がかかる

相続時精算課税における贈与税額控除

石川県の相続税専門税理士

金沢市、野々市市、白山市、小松市を中心に活動しています!

ブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 

数回にわたり、さまざまな税額控除を紹介しています。

 

今回は、相続時精算課税を選択していた場合における贈与税額控除について

 

解説します。

 

 

☆ 相続時精算課税はどんな制度か

 

 

 〔 対象者 〕

 

   贈与者 …60歳以上の親 または 祖父母

 

   受贈者 … 20歳以上の子 または 孫

 

   ※ 贈与の年の11日現在の年齢で判定します。

 

 

 

 〔 対象となる財産 〕

 

   贈与財産の種類、金額、贈与の回数に 制限はありません。

 

 

 

 〔 贈与税額の計算 〕

 

    2,500万円までは、贈与税が課税されません。(複数年にわたり 利用可能)

 

    贈与財産の額から、2,500万円を控除した残額に対して、

 

        一律20%の贈与税が 課税されます。

 

 

 

 〔 父母または祖父母が亡くなったとき 〕

 

 

   ・ 相続又は遺贈により財産を取得した場合

 

       受贈者は、相続財産の価額に この制度を適用した

 

       贈与財産の価額(贈与時の時価)を加算して 相続税額を計算します。

 

 

 

   ・ 相続又は遺贈により財産を取得しなかった場合

 

      受贈者は、この制度を適用した 贈与財産(贈与時の時価)を

 

            相続又は遺贈により取得したものとみなして 相続税額を計算します。

 

 

 

        ・ 2,500万円を超える贈与をして、贈与税を納めていた場合

 

     相続税額から その納めていた贈与税額を控除します。

 

     相続税額から控除しきれない贈与税額があるときは、

 

     相続税の申告をすることにより、還付を受けることができます。

 

 

☆ 相続時精算課税における贈与税額控除の対象となるのは…

 

 

相続時精算課税の適用を受け、非課税枠2,500万円を超える

 

贈与を行い、贈与税を納めていた場合に対象となります。

 

相続時精算課税を選択していた贈与者が死亡した場合、

 

贈与者にかかる相続税  -  相続時精算課税で納めてきた贈与税額  =  納付税額

 

となります。

 

 

☆ 相続時精算課税における贈与税額が還付となるケース

 

 

   例) ① 相続時精算課税の贈与者が死亡したことにより計算された相続税  …  100万円

 

   ② 相続時精算課税による贈与で 今まで納めてきた贈与税額         …  200万円

 

               ①- ② = △ 100万円 となります。

 

      このような場合、相続税の申告時に、100万円が還付されます。

 

 

☆ 暦年課税による贈与税額は、還付されるのでしょうか?

 

 

    暦年課税による贈与税額は、還付されません。

 

    相続開始前3年以内に贈与があった場合は、その贈与財産の価額を

 

      相続財産に加算し、その3年以内の贈与について納めた贈与税額を控除します。

 

      贈与税額控除といいます。

 

 

    例) ① 計算された相続税   …   100万円

 

     ② 贈与税額控除の金額  … 200万円

 

        ①- ② = △ 100万円 となりますが、

 

   このような場合、相続税の申告時に、100万円は還付されません。